From the New World-しがない塾講師のつぶやき-

日々思ったことをつぶやいていきます。主に教育(受験)のこと、趣味(鉄道・旅行)のことが中心です。

平成30年度 東京都立白鷗高附属中 適性検査Ⅲ分析

平成30年度 東京都立白鷗高附属中 適性検査Ⅲ

2018年2月3日 実施

30分・大問2問小問8問(大問1・大問2ともに算数)

※白鷗高附属中初の適性検査Ⅲ。

 

  • 大問1

テーマは「海外留学」。問題1・2と問題3~5では問題が独立している。

1問1問が独立してる両国高附属中とは少し違う形に。

 

問題1

日本の30000円を各国の通貨に両替すると、それぞれどれくらいの金額を受け取れるか、表1のうちからイギリス以外の2カ国を選び、小数第2位を四捨五入して求める問題。

単純な「単位量あたりの大きさ」の問題で、割り算さえ正確に出来れば難しくない。確実に得点したい問題。

ちなみにどれを選んでもさほど難易度は変わらないので、さっと選んで計算したいところ。

 

 

問題2

日本からカナダへ留学する場合、くみさんは1カナダドルが「84円の場合」と「87円の場合」のどちらの場合に両替をしたほうがいいか、理由を具体的に説明する問題。

ポイントは大きく2点あり、1点目は「カナダへ留学する場合」→「くみさんが使うのはカナダドル」→「よりカナダドルをもらえる方がいい」ということに気づけるか。

2点目は「理由を具体的に説明しなさい」なので、具体例を出して説明できているかどうか。

学校解答は30000円をカナダドルに両替する場合で説明しているが、実は「30000円を持っていく」とは言っていない(あくまでも問題1の例であげているだけである)ので、8700円の場合を用いるのが説明的には楽ではないかと思う。

もちろん30000円を用いて説明しても可であるが、時間を考えるとここで少し時間短縮をは図りたいところ。

 

問題3

「小物入れの表面全体について、色のついた部分の面積は、1辺が1cmの正方形何枚分か」を、図2を参考にし、考え方を表す式とともに答える問題。問題3から方向性が変わる。

解答欄の大きさから「考え方を表す式」は、式だけで十分か。したがって「図形Bの色のついた部分の面積は正方形4枚分であること」を説明しなくてよい(式に表されてよい)と思われる。

なお、小物入れの表面全体についての話で、図形Aと図形Bの合計を単に求めるだけではないので要注意。図形Bの「4枚」を4倍することを忘れずに。

この問題も落としたくない問題だが、説明を長々書いてしまうと時間が食われてしまう。解答欄の大きさから気づきたい。

 

問題4

「はるきさんの法則」を使って、三角形、正方形、長方形以外の多角形で面積が9㎠になる図形を1つ書き、さらにその図形の面積を求める式を「はるきさんの法則」に当てはめて書く問題。

「はるきさんの法則」の理解が必要なのは言うまでもないが、この問題のポイントは「9㎠となる図形は『はるきさんの法則』を用いないほうがさっと描けること」である。なかなか嫌らしい問題。

「はるきさんの法則」にとらわれすぎると、時間が去ってしまう。三角形、正方形、長方形以外の多角形であればいいので、さっと底辺・高さともに3cmの平行四辺形を描きたい。

白鷗高附属中の適性検査Ⅲは時折、こういった固定観念や先入観に縛られるとやられる問題が出題されるため、要注意。

 

問題5

「はるきさんの法則」を使って立体Pのすべての面の面積の合計を求め、その求め方を指定語句を使って説明する問題。

「問題5という配置」「見た目が空間図形」ということで敬遠しがちだが、今までの全ての流れを理解していれば、説明も含めてそれほど難易度は高くない。時間との勝負になると思われる。

 

  • 大問2

テーマは「赤1枚、白1枚のカードを使ったゲーム」。

いわゆる「取説問題」。問題3のみルールが異なっているので注意。

 

問題1

2人が決めたルールにしたがってゲームを3回やった結果が表で表されているので、それをもとに2人の3回の合計得点をそれぞれ求める問題。

取説問題によくある「ルールを理解しているかどうかの確認問題」で、この問題は確実にとりたい。

 

問題2

表1の得点のルールのときに、どちらの色のカードを出せばいいか、くみさんが説明しているのでそれに合うように色と説明を答える問題。

問題1よりは1歩踏み込んで考える必要はあるものの、ルールを理解していればすんなり答えることができるのではないかと思う。

 

問題3

得点のルールを忘れてしまった2人の会話と結果を読んで、どのような得点ルールだったかを考える問題。

ただし、会話文と表だけでは答えが2通り出てくるので、その2通りを両方とも答える必要があり、さらに説明まで求められている。

条件Aによって場合分けが生じるので、その両方について検証する必要がある、いわゆる「場合分けがきちんとできるか」がポイントになる。

ただ、この問題をやるころにはかなり時間もきつくなっている可能性が高い。せめて表だけでもうめられると、差がつけられるように思う。

 

 

  • 全体を通して

平成30年度から導入された白鷗高附属中の適性検査Ⅲだが、富士高附属中や両国高附属中など同じ30分の適性検査Ⅲの内容とは一線を画すものであった。

「問題はそれほど難しくないが、スピード感が必要。一方で落ち着いて考える能力も要求されている」という印象を持った。

学校側からは「適性検査Ⅱの勉強をしていれば十分対応可能」という話がでていたが、この年以降の適性検査Ⅱの難易度を考えると、確かにその通りなように思う。

問題を解くにしてもただ「答えありき」で解くのではなく、きちんと問題文・設問文・条件を読んで、それに見合う答えをだせるように心がけたい。

 

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