From the New World-しがない塾講師のつぶやき-

日々思ったことをつぶやいていきます。主に教育(受験)のこと、趣味(鉄道・旅行)のことが中心です。

令和2年度 東京都立富士高附属中 適性検査Ⅲ分析

令和2年度 東京都立富士高附属中 適性検査Ⅲ

2020年2月3日 実施

30分・大問2問(大問1・2ともに算数)

 

  • 大問1

テーマは「数式の計算と数を使ったゲーム」。約束記号の問題と考えてOK。

問題は3問あるが、それぞれ独立している。

 

問題1

割り算をした結果、商が「0.456456…」になるように3つの数字の繰り返しとなるような、割る数と割られる数の組み合わせを、4つの数から選ぶ問題。

いわゆる「循環小数」の問題だが、循環小数そのものの知識は不要。

会話文中に「2÷3=0.666666…」で「6」をくり返す、「1÷11=0.0909…」で「09」という2つの数字をくり返す、というヒントがあるので、まず「3けたの数で割れば、3つの数字をくり返すのではないか」と推測し、割る数を333と決めれば早く解ける。

後のことを考えるとここは確実に得点したい問題。

 

問題2

ユミコさんが用意した2枚のカードの計算をした結果、☆が2になるように、○と△にあてはまる数字を答える問題。使える数は1から10までの整数である条件がある。

この問題に限らず、余りのある割り算の計算では、「割る数>余り」を常に考える癖をつけておきたい。このことからまず、△>□>☆(つまり、△>□>2)とわかる。

したがって□に3を入れてみると、△÷□の余りが2になることから、△は5となる。

そして、○÷5の余りが3になることから、○は8となる。

別解は存在するが、スピードを考えると「□に3を入れてみる」という試行をして解いた方が良い。いわゆる「手を動かす」ことが重要となる。

 

 

問題3

最初、○=6、△=4、□=1として、ユミコさんが用意したア~ウの3種類のカードに数字を書き入れていった結果、初めて○=4、△=6となるのがちょうど3枚の手順となる組み合わせを2通り考え、解答欄の表に記入する問題。

「アのカード」から始まる手順と、「ウのカード」から始まる手順の2通りにするという条件があることに注意。

また、「必ず全部のカードを使う」という条件がないことも重要。なるべくシンプルなカード、つまり「アのカード」を使うように心がけ、やむを得ないときのみ、複雑なものを使うのが良い。

この問題も「手を動かす」ことが重要であるが、数字の書き換えのルールを正しく理解しないと時間がかかってしまう。書かれていることを一発で理解できるようにしておきたい。

 

  • 大問2

テーマは「歯車と回転」。理科のような題材だが内容は算数である。

富士高附属中の大問2の問題3は、毎年非常に条件が複雑かつ多い問題が出題されているが、今年もその傾向は変わらず。

 

問題1

問題に載っている表を用いて、歯車③の歯数を答える問題。理由説明も求められている。

「かみ合っている歯車は、回転数と歯数が反比例の関係になる」または「回転数と歯数が逆比になる」ことを知っていれば、歯車②の歯数が18と与えられているので、すぐに求めることが出来る。

ただ、仮に知らなかったとしても歯車①・歯車②の歯数と表1から導けるようになっている。

理由説明まで含めて確実に正解したい問題。

 

問題2

「動力の歯車」「タイヤの歯車」「間の歯車」の3つのうち、「間の歯車」を表3のオにしたときに、模型全体が3.6m進むには「動力の歯車」を何回転させればいいか、「動力の歯車」と「タイヤの歯車」をどれにするかを選んだ上で答える問題。

条件は「タイヤの円周は10cm」「タイヤの回転数とタイヤの歯車の回転数は同じ」「動力の歯車とタイヤの歯車に同じ歯車は使えない」。

まず、模型全体が3.6m進むためにタイヤが36回転すればいいことを求め、その後「動力の歯車」と「タイヤの歯車」をどれにするかを決め、表から回転数を読み取って答えていく。

素直に表から読み取っていけば答えにたどり着くため、「歯車といったら反比例」という知識に引っ張られすぎないことが重要。

これはすべての適性検査に言えるが、知識を使う際には、必ずその場の情報を読み取った後で判断すべし。

やや差がついた問題かと思われる。

 

問題3

図5のように置かれているロボットの各部品を、図6のような置かれ方にするには、それぞれの部品をどのように回転させていけばよいか、解答用紙にある「答え方の例」にしたがって書く問題。

図5と図6、答え方の例だけでなく、

図3の「部品の回転方向の説明」

図4の「各部品に書かれている数字の位置・向き」

設問文「正面から見たときに、書かれている数字はすべて違う数字で、合計が15になる」

ルール1「180度回転は同じ回転を2回書き、回転しない場合は回転なしと書く」

ルール2「回転は4回まで」

ルール3「正面から見たときに、全ての数字が線を下にして書かれている」

と、あらゆる条件をチェックしなければならず、非常に時間がかかる。

こういった問題は、図で書かれていたり、ルールに書かれていたりなど、目立つ条件はあまり見落とされないが、設問文にさらっと書かれているような条件は見落としやすいので注意。

時間さえあれば、問題そのものは面倒なだけでそれほど難しくはないので、まさに時間との勝負。

 

  • 全体を通して

傾向は全体的に変わっていない。各大問の問題1・問題2をスピーディーに解き、大問1の問題3・大問2の問題3にどれだけ時間がかけられるかが勝負。

毎年でる「非常に条件が複雑かつ多い問題」は、深入りするとやられる危険があるため、むしろそれまでのところで確実に点数をとっておきたい。

白鷗高附属中の適性検査Ⅲにもあったが、富士高附属中にも「知識に引っ張られすぎるとやられる問題」が存在。その場での情報読み取り力を強化し、正しく知識を使えるような練習をしておきたい。

 

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