From the New World-しがない塾講師のつぶやき-

日々思ったことをつぶやいていきます。主に教育(受験)のこと、趣味(鉄道・旅行)のことが中心です。

平成30年度 東京都立両国高附属中 適性検査Ⅲ分析

平成30年度 東京都立両国高附属中 適性検査Ⅲ

2018年2月3日 実施

30分・大問2問(大問1・大問2ともに算数)

 

  • 大問1

通しのテーマは一応「鉄道の博物館に行った話」だが、鉄道の話はまったく出てこない。この年から「テーマ」と問題内容があまり関係しなくなってきたように思える。問1と問2は関連しているが、問3は独立している。

 

問題1

始発のA駅~終点のE駅までに「乗った人数」と「降りた人数」が表で示され、計算することによって「A駅~E駅までずっと乗っていた人が、最も少なくて何人いるか」を求める問題。

私立中入試の算数でも出題歴があり、解き方を知っている人はかなり有利。

ただ、今回は「式を書いて求める」「式には表1に書かれている数字のみを用いる」とあるので、ただ答えを知っているだけでは得点が期待できない。

解き方を習得する際には結果だけでなく、その過程・考え方もしっかり習得すべし。

難易度としては易しめで、落としたくない。

 

問題2

問題1とは逆に、計算することによって「A駅~E駅までずっと乗っていた人が、最も多くて何人いるか」を求める問題。

この問題も私立中入試の算数で出題歴があるが、式が問題1より明らかに複雑になるので要注意。

「途中で降りた人を、なるべく途中から乗ってきた人にする」のがポイント。

両国高附属中のこういった「式を書く問題」はいきなり1つの式でまとめてもよいが、もしそれが厳しい場合は、図を描いて簡単に整理しながら、1つ1つ式を作っていくとよい。

この問題は答えよりも「式」の点数のほうが差がついているのではないかと思う。

 

問題3

この年の「答えが一通りに決まらない」問題は空間図形から出題。立方体を3個組み合わせた形の展開図を、ルールに従って書いていく問題。

なお、この問題の採点にあたって、実際に先生がつくって組み立てられた物が正解、とされたという噂があるが、真偽のほどは定かではない。

気をつけるべきルールは、「すでに塗られているものも含めて、ますの合計が14個になること」と、

「黒く塗った部分の内側は切らずに、周りだけを切れば組み立てられるものを答えること」の2つ。

特に後者を読み落とす受検生が多発したと思われる。

この年はこの問題が最も難しいが、ここがとれると100点も見えてくる。

 

  • 大問2

テーマは「川の水のよごれとBOD」。

今回の大問2では、問題1・問題2で同じデータを使うことになる。

両国高附属中で頻出のいわゆる「取扱説明書問題」。その場での読み取り能力が問われる。

 

問題1

「アユが住めるようなきれいな水にもどすために、どれだけの水が必要なのか」を求める問題。

BODを使った計算方法をしっかり理解しているかがポイントであるが、表2の直後で先生が具体的に方法を示しながら計算しているので、それを真似していけばOK。

ここは書かれていることの真似さえすれば答えられる問題なので、確実に得点をとりたい。

 

問題2

「表1の調味料の5種類のうち2種類を混ぜた物に、3000Lの水を加えたら、ヤマメは住めないがアユは住めるような水になるとき、考えられる調味料の組み合わせは何で、量はどれくらいか」を答える問題。

問題1とは逆の過程をたどっていくことになる。

「大問2の最後」というイメージだけで敬遠されがちだが、問題1および表1・表2をきちんと理解していればそれほど難しくなく、また解答も多通りあるため、サクッと解いておきたい。 

 

  • 全体を通して

H29の急な難化から1年経ち、再び易化した。大問1の問題3をクリアすれば満点も狙える。実際には70~80点が勝負ラインとなると思われる。

「答えが一通りに決まらない」「私立中に似た問題」「取扱説明書問題」「ケタの多い割り算」

「ストレートに聞かずにちょっとひねる問題」など、「都立両国」らしさは相変わらず存在。

この年は問題そのものがかなり平易であるため、些細なミスが命取りになる可能性が高い。

「早とちりせず、確実に情報を処理していく能力」が重要である。

 

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